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この話は私がこの怪異を体験した知り合いの警察官からじかに聞いたものである。
(彼は震えながら私にその一部始終を打ち明けてくれた。彼はその間中、ずっと小刻みに震えていた)

警察官はその任務上からか、怪異の体験率は一般人よりずっと多いと言う。
しかし、彼の遭遇した悪夢はすべての警察官のそれを上回るであろう。
(前置きが長くなった。始めよう)

彼は交番に勤務しており、(所謂外勤というもの)その日は夜勤のため、夜中中ずっと交番に詰めていた。
午前の二時が過ぎたので、いつも通り彼は懐中電灯をぶら下げて真っ暗な街をパトロールに出かけた。

人気の無い路地をしばらく歩いていると、電灯の下に人がうずくまっているのが見えた。
不審に思った彼は用心深く、一歩一歩近づいていった…。

うずくまっている人間はどうやら女性のようであった。
髪はぼさぼさで背中の中頃まで伸びていた。
白いコートは薄汚れていた。
「フシュー、フシュー」と不気味な呼吸音を響かせていた。

彼は後ろから恐る恐る声をかけた。
「あの~、どこか具合でも悪くされたのですか?」
それまでうずくまっていたのが「バッ!!」と彼の方を振り向いた。
警察官の悲鳴が響いた。

悪夢の始まりであった

その女(?)と思しき人間(?)いや、人間とすら彼は分からなかったという。
なにしろその「モノ」は顔がグジュグジュで目も鼻も口も、本来顔に有るべきパーツが何一つ無かったというのだ。

パニックに陥った彼は無我夢中で警棒を掴んだ。
(こんな時でも銃でなかったというのが実に日本の警察的だ。)
滅茶苦茶に警棒を振り回しながら全速力で逃げまくった。
どうやら怪物は追って来なかったらしい。

おでんの屋台が出ているのを見つけた彼は息を切らせながらそこの親父にどなりこんだ。
「そんなに慌ててどうしたんですか?お巡りさん」
「ばばばばばっば、化け物!!!!ば、ば、化け物が出たんだ!!!」
必死でどなりつづける彼。

しかし、そんな事普通は信じてもらえない。
屋台の親父は何ほざいてんだコイツは、っと言ったような不審な目を彼にぶつける。
「からかっちゃあいけませんよお巡りさん。今の時代に化け物なんざあ生き残ってる分けないでしょう。」
「たたったた、たた確かに見たんだ!!!か、顔がもうこんなグチャグチャで目も鼻も何も無くて・・・」

「へえへえ、分かりましたよ。それじゃあ、その顔はこんな感じでござんしょう?」
「うぎゃああああああああああああああああああああああああっっ!!!!!!!!!!!!!!!」

親父の顔もグチャグチャの化け物に変わっていた。
彼は泣きながら交番は逃げ帰った。
交番では彼の上司が書類の作成をしていた。
「ハコ長!!助けて下さい!!!化け物が出ました!!」頼れる上司の姿を見て、彼がホッとしたのもつかの間…。

「その化け物はこんな顔だろ?」

振り向いた上司の顔もグチャグチャの……

彼は失神してしまったそうです。

引用元:何これ・・怖い

 

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