絶叫した話

禁忌 Webで流行った怖い話【怪談】

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レッカーの仕事、スーパーエースの話⑱です。ちょっとこの一週間色々と忙しくて、同じ会社にいながら佐藤君と会わない日々が続いたので、前に聞いた話を思い出しながらになりますがご容赦を。

佐藤君が17歳頃の話。
バイト先の心霊スポット好きの先輩に連れ出され、バイト仲間数人で某廃ホテルに行ったそうです。
そこは、今はもう無くなってしまったそうなんですが(俺も若い頃行ったことある)、2階建てのラブホで、2階で火事があり数名が死んだとか、オーナーが首を吊ったとか、殺人があったとか、まあ有りがちな噂のある場所でした。

佐藤君がそこを訪れたのは、この時が初めて。他のメンバーには、何度か来たことのある人もいたらしく、2階がヤバイだの厨房で声を聞いただのと、ワイワイ騒ぎながら車で向かっていたそうです。
季節は夏真っ只中。地元ではソコソコ有名なスポットだっただけに、ヤンキーやら違うグループと鉢合わせたら嫌だなぁと思っていたものの、到着すると誰もいない。
こりゃラッキーだと、佐藤君以外のメンバーはテンション高めに車を降りていった。この時点で、佐藤君には2つの声が聞こえていたらしい。一つは、荒らしに来るな、帰れ、という男の声。もう一つは、女の絶叫。もう、何か取り乱すとかじゃない、発狂寸前みたいな叫び方。
うわ~、ヤバそうだなぁと歩の進まない佐藤君を早く来いと急かすメンバー。仕方なく、最後尾に続いて建物に入ったようです。中に入ると、思ったほど荒れていない。落書きは全開。
ちゃんとした入口は木やら雑草やらで塞がれていて、駐車場みたいなところから侵入したらしいのだが、廊下を歩くと道なりに玄関ロビーにたどり着いた。
皆は、2階から行くか、1階からかと相談。佐藤君は視線を感じて受付カウンターを見ると、背広を着た30代くらいの男のがジッとこちらを見ている。
あぁ、声の人だな、と思ったそうです。この男の人は、ここで亡くなった訳ではない。恐らく近くで事故か何かで亡くなって、そこに溜まっているだけみたい。
ただ静かにしてほしい、荒らさないでほしい、という思いが伝わってきて、ゴメンねと謝ってスルーしたようです。

問題なのは、絶叫女の方。2階から、ずっと叫び声は聞こえているし、建物に入った時から走り回る足音がしている。
「2階は止めた方がいい」と佐藤君が言う。メンバーは皆、佐藤君が見えると知っているので、何かいるのか?と聞いてくる。佐藤君が感じたままを話すと、何人かは2階はムリ!と言って拒否。2人が、よし、行こうと発言。
結局、フラグの立った2人が2階へ。佐藤君と数名が1階を探索することになったそうです。

1階組は、オーナーが首を吊ったと噂のスタッフルームへ。
すると、メンバーの一人が「2階の2人、はしゃぎ過ぎじゃない?」と言う。真上で走り回る足音がすると。聞こえない、分からないという奴もいたが、佐藤君が「だから、アイツらじゃない。女。」と言うと、全員が沈黙。

スタッフルームは、佐藤君の見た感じでは何もない。オーナー首吊りの噂は嘘だね、となり、皆安堵の表情。
ところがその瞬間、2階から大絶叫。凄い勢いで2人が降りてきた。顔面蒼白、足はカクカク(笑)1階組が階段下まで走っていき、どうした?何があった?と聞いても、ヤバイ、出ようとの一点張り。皆怖くなり、帰ろうとした時、佐藤君が物凄い寒気に襲われた。

急に湧きだす強烈な焦げ臭さと腐敗臭。ハッと階段の上を見ると、身体の右側半分が焼けて真っ黒になった女がジッと見下ろしている。
「うわっ!」思わず佐藤君が叫ぶと、全員が
出口に向かって走り出した。後ろから、絶叫と足音が近づいてくるのが分かる。
もし建物から出ても着いてきたら、家まで着いてくるということ。自縛なら建物からは出れない。
判断している暇はなかったので、取り合えず全力でダッシュ。転げるように全員が外に出ると、佐藤君はメンバーを見回した。

残念ながら、2階に上がったうちの1人にビッタリくっついている。背中に身体をピッタリ寄せて、両肩に手を置き、顔を覗きこんでいたそうです。
「あ~、ヤバイ。どうしよう。」
しつこいようですが、佐藤君は祓えません。もしここで憑いてきたと言ったら、きっとパニックだし、取ってくれとか始まるだろうと思った佐藤君は、敢えて何も言わなかったようです。

取り合えず車に戻ろうということになった。運転手は先輩で、とり憑かれた奴とは別だったので、こっそりと状況を話し、もしルームミラーで後ろ見て何か映っても、頼むからパニくらないでと言ったそうです。
「マジか!どうすんだ!」と言われたものの、どうにもならないから黙っててと(笑)取り合えず、暫く放っとけば取れると思うけど、最悪は誰かに取ってもらうしかない。

帰りの車内で、やっと少し落ち着いた2階組に何があったのかと聞くと、顔を見合せながら話しだしたようです。

2階に上がり、部屋を1つづつ開けて中を見てとやってるうちに、どこからか女の悲鳴が聞こえた気がした。佐藤が言ってたやつか?と怖くなり、次の部屋を見たら降りようということにした。
で、部屋のドアに手をかけたら、まるで向こうに誰かいて、その人が引いたみたいに抵抗が全くなく開いたらしい。
部屋の中は、確実に火事がありましたってくらい壁もベッドも、何もかも焼けていたようで、何かヤバイと思ったら、耳元で女の絶叫がしたそうです。
完全に腰砕けになった2人は、女の悲鳴に負けず劣らずの絶叫で逃げてきた、ということらしいです。

逆に、何かいた?と聞かれた佐藤君は、右側半分焼けた女が2階から見てたよ、とだけ言った。火事の噂は多分ホントで、寝タバコか何か理由は分からないけど、その部屋で火事になって身体に火が燃え移って、部屋の中で暴れまくった。熱くて火から逃げて廊下に飛び出して走り回って、発狂するように焼け死んだみたい、と説明しました。
騒然とする車内。先輩が、なるべくルームミラーを見ないようにしているのが面白かったと佐藤君は言ってました。

その後、とり憑かれた奴は原因不明の発熱で3日くらい寝込んだらしく、ヤバイかな?と気になったので先輩と見舞いに行くと、まだガッツリ女がくっついていたそうです。
その3日後、バイトに出てきた時にはいなくなっていたのでホッとしたそうですが、熱が出て寝てる間、自分の部屋が火事で燃えていて、自分に火が燃え移って熱くて暴れる夢を何度も見たそうです。
佐藤君に聞いた話とリンクするから、俺に何か憑いてきたんじゃないか?と聞かれたらしいのですが、何も出来ないから放置したとも言えないので、気のせいだと押し通したそうです。

引用元:怖い話まとめ オカ学

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