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長い上にあんまり怖くないかもしれませんが、私の体験した怖い話です。

ある日、当時大学生の姉が凄い勢いで学校から帰ってきました。
時間は多分夜の10時ぐらいだったと思います。
息も絶え絶え、転がり込むように玄関に入ってきたのです。

もともと変質者などはほとんどいない(というか生まれてから一度も近辺でそういう話は聞いてません)な土地であったので、どうしたのかと聞きました。

姉の話によると「いつも通りに駐輪場から自転車に乗って帰ってきたら電灯が点いたり消えたりして怖い」と。

意味がわからないですよね。私も、その程度のことで…と我が姉ながら情けなく、つい笑いとばしてしまいました。

姉はその日はだいぶ怯えていましたが、次の日にはケロリとしていたので私もそのことは忘れてしまっていたのです。

それから一ヶ月ほど経ったある日、私は当時所属していた運動部の練習で遅くなって、駐輪場に着いたのは10時頃でした。

駐輪場から家までは大体20分ほどです。
線路の脇にある少し広めの道を通って帰るのですが、線路の反対側は畑か公園、工場のようなものがあり、たまにボロボロの木造平屋?があります。
電灯は大体20mぐらいの間隔では建っているのですがなかなか不気味です。

夏だったので「あっついなぁ…」と思いながらダラダラ漕いでいると、ふと違和感を覚えました。
なんだかいつもより道が暗いのです。
自転車を漕いでる中で前方に見える電灯は全て点いているはずです。
でも、変わらずに暗いままなのです。

部活後の疲れもあってあまり頭も働かず、少し不思議だなぁと思いながら漕ぎ続けていましたが、あ!と思いました。

地面を見ながら漕いでいたら、私の真上の電灯だけがどんどん消えていっていることに気づきました。道理で普段と変わらないように見えるのに普段より暗いわけです。

怖くなって上は確認できませんでしたが、後ろを振り向いた時に見えた電灯は、通り過ぎていったところがちょうど点くところだったので、間違いない、と確信しました。

気付いた途端にゾッとしました。
それまで姉が泣くほど嫌いな蜘蛛も、同級生の男の子が泣くほどだった学校の肝試しでも怖いと思わなかったのに初めて怖いと思いました。
今思い出すと多分半泣きでした。

漕ぎ方を立ち漕ぎに変えて、全速力で家まで帰りました。
姉が言っていたのはこの事だったのか、と回らない頭で考えながら家の前まで着いて自転車を降りた時、
「あ!だめじゃない、そんなところにいたら!」
少し甲高い声が聞こえて、驚いた私はバッと声のする方に振り向きました。

隣の家の息子が笑顔で立ってました。
この息子は少し脳に障害があるのか、それとも精神的なものなのか、(詳しくは知らないのですが)いつも独り言を喋ってはケタケタと笑っているような、見た目は少し細身な至って普通の30歳ぐらいの男の人です。

私はその息子の存在にもかなりビビリました。息子と私の距離は大体5mくらいはあったでしょうか。
その場で動けなくなってしまいました。

息子はまたケタケタと笑うと、こちらに近付いて手を伸ばしてきました。
掴まれる!と思ったのですが、実際はその手は私の後方へと伸びてゆき、何かを掴みました。
私には何も見えませんでした。
でも確かに息子は何かを掴み、引きずって家まで戻って行くのです。

その息子は最後に私の方を振り向き、何かを掴んだ手を振り回しながら「この子はね、高いところが大好きなんだよぉ~…たとえば、電灯の上とか」
と言いながら家へと入って行きました。

確かに、私は電灯が消えたのもその何かの存在も怖かったです。
それまでは信じていなかったけれど、幽霊とかってほんとにいるのかもしれないとも思いました。

でも、いつも甲高い声で喋っている隣の息子が、最後の言葉のそのまた最後の部分だけ普通の声だったのが一番怖かったです。

長くなりましたが、これが私の唯一本当に体験した怖い話です。

引用元:オカ学

 

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