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1980年8月16日の出来事。

俺は田舎に住む小学生で、単身赴任している父に会うため夏休みに初めて東京を訪問した。

前日の15日は横浜に住む親戚の叔母さん宅へ泊めさせてもらった。
「明日は新幹線で静岡まで行って富士山見るよ」と言われ、男子小学生はテンションmax。

翌朝16日、最寄り駅まで徒歩で向かっていた途中、叔母さんが急に「ごめん、先に行ってて」と言い出し、家へ戻ってしまった。
その時は忘れ物でもしたのかなと思い、俺らは駅の券売機付近で待っていた。
20分ぐらいして叔母さんが浮かぬ表情で戻って来た。

父がわけを聞いたら叔母さんがこんなことを言い出した。

叔母:「仏壇に飾ってある旦那(故人)の遺影が倒れた。いやな予感がしたので急遽帰宅し、遺影を戻してきた。他は特に異常は見当たらなかったけど・・・・・・」

元旦那はお坊さんで叔母さんは霊感なんかなかったのに、一緒に暮らすうちに遅咲き開花。
旦那さんが亡くなってからは不思議体験の頻度が増すようになったとのこと。
歩いている途中で”仏壇に異常あり”、のメッセージを受け取ったらしい。
この時点でなんとなく嫌なムードが漂っていた。

でもそれ以上に新幹線と富士山を楽しみにしている俺がいるので、やはり行くことに。

券売機で普通列車横浜行きのキップを買う。
この時発券された俺のキップは通し番号で「4444」、隣で買ったイトコちゃんのは「9999」。
その場にいた全員がガチで血の気引いて青ざめた。
いくらガキとはいえ、こんなもの見せつけられたらただ事じゃないぐらい分かる。
誰からともなく富士山行きは中止ということになった。

予定を変更し、一旦家に戻って我々の大荷物を置いてから徒歩圏内の商店街をプラつくことに。
とはいえ俺に気を遣ってくれたのは十分に伝わった。

田舎には存在していなかった大きな家電屋、オモチャ屋なんかを選択してくれた。
おまけに浮いた旅費で豪華なもの食べましょう、と昼から高級なレストランへ。

席に着き、俺は買ってもらったオモチャのことでイトコちゃんと話に夢中。
しばらくして父と叔母さんが、「(席から遠方の)テレビのニュース見てくるからここで座ってなさい」とのこと。
ところが料理が運ばれても全然戻ってこないので、しびれを切らした俺が呼びに行った。
テレビ前には映像をガン見している大人が7,8人ほど集まっていた。

一体どんなニュースなんだと見てみたら、「静岡駅」「2度の爆発事故」の文字が見えた。

席に戻った父と叔母さんが事故のあらましを子どもに分かるようにかみ砕いて教えてくれた。
・駅ではなく、正確には駅の地下街でガス爆発事故が2回あった。
・もし叔母さんが遺影の件で戻らず、予定通り新幹線に乗っていたら1回目の事故に。
・4444、9999のキップがなければ2回目の事故に巻き込まれるところだった。
・その地下街を通る予定だったかまでは分からないけど、タイミング的に完全に一致していた。

人生初の東京旅行は、東京タワーや新幹線や富士山ではなく、この不思議体験が強烈な記憶として残っている。

引用元:鵺速あなたの傍の怖い話

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