souon-obasan

新宿を基点にしてる、ある私鉄沿線電車。

初夏の真昼間、新宿に向かう列車に乗ってたときの事。
私はサラリーマン風のおじさんと並んで腰掛けてた。
その時間の割には車内ちょっと込んでて、目の前には買い物帰り風のおばさんがつり革につかまって立ってた。

冷房にはちょっと早くて、私の後ろの窓が少しだけ開いてるみたいで、風がゴーゴー、髪が乱れるくらい吹き込んでた。

その電車、新宿直前から地下を走るようになってる。

地下に入ってしばらく走った頃。
目の前のおばさんが、突然手を伸ばして窓を閉めようとしてる。

見上げると、様子が変だ。

鬼の形相。
必死すぎて手元もおぼつかない。

ただならぬ勢いで窓を閉め終えたおばさんを、私も隣のおじさんもポカンと見上げる形になってしまった。

なんだか、あぶない人?

視線に気付いたおばさんは、「見えなかったの?気付かなかったの?あなた、髪・・・」といったまま口ごもり、早足で別の車両に移っていってしまった。

両腕をさすり「あ~コワイ、コワイ」とつぶやきながら。

引用元:鵺速あなとの傍の怖い話

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