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453 : 名無しバサー : 2010/08/11(水) 11:59:08
今から10数年前、自動車免許取りたてで浮かれた俺たちは、
高校生活最後の夏休みに肝試しを行ったんだ。
場所は北東北のとある景勝地。
地元周辺では自殺の名所として有名な断崖絶壁。標高約200m。
そこは駐車場から絶壁まで歩いて500m程度の暗闇を進まなければならなかった。

3台の車に分乗し、男5人女5人で、午前1時過ぎに現場に到着。
駐車場には車も無く、無人だった。
その日は月明かりも星明かりも漁火さえ無い漆黒の闇だった。
俺はふと時間を確認しようと携帯電話を取り出した。

“8月**日 1:07 圏外”

無機質な蛍光バックライトに黒いドット文字が浮かぶ。
「ああ、ここはまだ圏外か….」
そう呟くと、友人達も各々携帯を確認していたが、全員圏外。
それもそのはず、当時は全てのキャリアでその場所は圏外で、周囲にも圏内は存在していなかった。

454 : 名無しバサー : 2010/08/11(水) 12:00:48
そんなことは大して気にも留めず和気藹々と車を降り、絶壁に向けて遊歩道を歩き出した。
中間地点くらいだろうか。廃屋となった売店前に到着。
その時既に何かを感じていたのだろうか、皆の口数が減っていた。
その時、前方で正体不明の影のような物が絶壁に向って進んでいるのが見えた。
「なんだ….あれ….」

俺は誰に問うた訳でもなく呟いた。
冷や汗が頬を伝う。
友人達も同時に思ったらしく、一瞬にして空気が凍り付いた。

「ヤバいって…..」

「戻ろうぜ……」

友人達が呆然としながら小声で呟く。

「よし、戻ろう」

誰かが呟き、一斉に来た道を駆け出した。
無我夢中、全速で走った。
何とか全員が駐車場まで引き返す事ができた。
各々が車に乗り込み、得体の知れない恐怖に震えていた。

459 : 名無しバサー : 2010/08/11(水) 13:13:52
ふとバックミラーを見ると、後部座席に居た女の子が携帯を見ていた。
バックライトに照らされ彼女の顔が浮かび上がる。
つられて俺も自分の携帯を見た。

“8月**日 1:29 圏外”

無意識のうちにまたバックミラーの彼女を見た。
すると彼女は受話器を耳に当てたまま目を見開き痙攣する程に震えた。

「どうした!?何だ!!!」

彼女は震える右手を左手で抑えながら、俺に携帯電話を手渡した。
俺は半ば予想していたのかもしれない。画面を見るとそこには

“8月**日 1:30 圏外”

その下に恐ろしい、しかし半ば予想していた文字が浮かんでいた。

“8月**日 1:14 留守アリ:1”

再生ボタンを押し、耳に当てた。
最初の数秒は道中の他愛もない会話が聞こえていた。
その会話に被さるように突然、

『うぉーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!』

どう文字表現していいか判らない、男とも女ともつかない呻き声が、
録音時間いっぱいまで入っていた。
その後ろからは、相変わらず俺たちの会話が聞こえる。
位置にして、10m程度の前か後から通話している模様だった。
もちろん、そんな近くでイタズラを仕掛ければすぐにバレる。
なにより全員の携帯電話が圏外だった。

その事実に辿り着くまでに時間は要さなかった。
とにかく一刻も早くその場から逃げ出そうと、全速で車を飛ばした。

蛇足:
それから数年後、主要キャリアは圏内になった。
肝試しや心霊スポットには近づきたくない。

458 : 名無しバサー[sage] : 2010/08/11(水) 13:06:18
碁石海岸か?

元スレ:釣り場であった怖い話 第4夜

引用元:やだなあ~怖いなあ~・・・

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