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08/05/05
最近体験した怖い出来事です。洒落にならないくらい怖かったです。

 

今年の2月下旬、出張で都内のビジネスホテルに泊まった。

 

翌朝、同僚と一緒にホテル一階のレストランでモーニングを食べていると、ホテルの前にパトカーが止まり、警察官が駆け込んでくるのが見えた。

 

何だろ?と思っている間にパトカーがどんどん増え、レスキューまで来たので、
「ちょっと見てくる」


といって、同僚を残してホテルの前の道路に出た。


外ではレストランの窓からは見えなかったが、救急車や覆面パトカーなどが列を作っていて、多くの通行人が立ち止まってホテルを見上げていた。


俺もつられて見てみると、ホテルの屋上に手をかけて、人間がぶらさがっているのが見えた。


外壁を足で蹴り、這上がろうとしているのかバタバタと動いている。ちなみにホテルは十数階建てだった。


びっくりしてしばらく見ていたが、このままだと嫌なものを見るハメになると気付き、レストランに戻ることにした。


席に着いた俺に同僚が


「何だった?」


と聞いてきたので、


「屋上から人がぶらさがってる」


とだけ答えた。


同僚は驚いた様子だったが、外に見に行こうとはせず、なんとなく会話もなくなって二人で飯を食べてた。


そのまま五分くらいたって、何の動きもなかったので助かったのかな、と思った瞬間、


「バーン!」


という大きな音が聞こえた。
思わず同僚と顔を見合わせる。


「落ちたね……」


同僚がつぶやくように言い、俺もうなずきながらそのまま無言で食事を続けた。


しばらくして、警察官がレストランの窓の外に青いビニルシートを貼り付けだした。しかし窓がでかかっため、シートでは全て隠すことはできず、すき間から外を見ることができた。


俺は窓の横の席だったが、なるべく気にしないようにしてコーヒーを飲んでいたが、間もなく消防隊員がタンカを持って窓の横を通るのが見えた。


見たくなかったはずなのに、自然と目が吸い付けられる。


タンカに乗せられ、白いシーツを被せられた人型の盛り上がりが目に入った。顔まで被せられてるのは死んでいるからだろうか?


時間にすれば一瞬だったが、シーツの白さがやけにまぶたに残って気持ち悪かった。


二日後、出張を終えて会社に戻り、週末と重なったので月曜日に久しぶりに出社したところ、同僚が休んでいた。


体調が悪いとのことで、同期の女の子に


「東京で悪い病気もらってきたんじゃない?君は大丈夫?」


とからかわれたが、出張中は特に調子の悪そうな様子はなかったので、不思議に思った。


仕事が終わり、見舞いがてら様子を見に行こうと、同僚が住むマンションに立ち寄った。


エレベーターで七階に上がり、同僚の部屋をたずねると、目の下にクマをつくった、異様に疲れた表情の同僚が迎えてくれた。


「大丈夫か?飯は食べてるか」


俺が聞くと、同僚は軽く笑った。


「ああ。外に出れないから、買い置きのインスタントばっか食べてる。」


「そんな悪いのか?じゃあ何か買ってくるよ。何がいい?」


とたずねる俺に、同僚は泣き笑いみたいな表情を見せた。明らかに精神的にやばくなってるようだった。


「でれないんだよ。エレベーターでも、階段でも、アイツがいるんだ」


「何?アイツって誰だよ?借金取りか何かか?」


「そんなんじゃないよ!!何で俺なんだよ、何で……」


同僚はそのまま泣き出してしまった。


らちがあかないと思った俺は、取りあえず飯でも食おうと外に誘ったが、同僚は外に出ることを激しく嫌がった。


冷蔵庫の中身はほとんど空で、買い置きもない様子だったので、仕方なく俺は買い出しにいってくると告げて、玄関の外に出た。


同僚の様子を会社に連絡するか、それとも両親に知らせるか、などと考えながらエレベーターを待っていると、下から上がってきたエレベーターが目の前を通り過ぎていった。


エレベーターは扉がガラスになっていて、外からでも中を見ることが出来た。通り過ぎていくエレベーターの中に、子供のような低い姿が一瞬見えた。


エレベーターは最上階に止まったまま、なかなか降りてこなかった。


5分くらいしても降りてくる気配のないエレベーターに嫌気がさして、階段で降りることにした。七階だが、下りならそれほど苦でもない。


階段のドアを開けると、普段あまり使う人がいないためか、空気がよどみ、ホコリがたまっていた。


しばらく降りていくと、下から誰かが上がってくる音が聞こえた。階段使う人もいるんだな、と少し驚きながら降りていくと、下から上がってきたモノとすれ違った。


それは、子供ほどの身長だった。


顔は中年の女。どこにでもいそうな顔だが、位置が違う。


顔は本来あるべき場所よりはるか下の、ミゾオチのあたりにあった。強い力で頭を押し込んだような感じといえばいいのか?


腕はやや上向きに開いており、歩くたびにユラユラ揺れていた。


俺はあまりのことに息を呑んだ。叫ぶこともできなかった。足が固まり、悪夢でも見ているかのような思いだった。


女は硬直した俺の横を、ヒョコヒョコと階段を登っていき、やがて音も聞こえなくなった。


俺は金縛りが解けたように大声で叫ぶと、無我夢中で階段を降り、マンションから逃げ出した。


コンビニまで走り、明るい場所で同僚に電話した。俺はあわてまくっていたが、同僚は意外に冷静だった。


「あれ、飛び降りた女だよ。あの時タンカなんか見るんじゃなかった。運ばれていくアイツと目が合ったんだ。


つぶれて、めり込んだ顔で目だけがやたら大きく見えて…あんなに警察や消防がいたのに、何で俺なんだよ」


そう言って同僚は大きくため息をついた。


しばらくして同僚は会社をやめ、田舎に帰った。実家は平屋なので安心すると言っていた。


不思議なのは、同僚はタンカに乗せられた女を見たと言っていたが、タンカには確かにシーツが被せられ、人は見えなかったはずなのだが。


俺はあの日以来、なるべく階段は使わないようにしている。またアイツとすれ違ったらと思うと、怖くて使えないからだ。

引用元:パラノーマルちゃんねる

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