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その出来事は今春で2年が経つ。

俺のマンションで仲間4人と朝まで飲んでいた。
腹が減ったということで、1人がバイクで近所のコンビニまで弁当を買いに行った。
時間にして1時間程経っただろうか、あまりにも遅いので俺は携帯に電話してみた。

すると、そいつは電話に出て『ごめんな!すぐ戻るから』と言い電話を切られた。
しばらくするとバイクのマフラーの音がしたので俺はドアを開けて待っていた。
するとそいつは「ごめんな!用事ができて弁当買えなかったんだ」そう言い残して足早に階段を駆け降りて行った。

不審に思った俺達は呼び止めようとベランダに出て下を見た。
しかし、バイクが見当たらない。
もう1度携帯に電話してみた。

すると、そいつの奥さんが電話に出て、気の無い声で『彼が・・・とりあえずK総合病院に来て頂けますか』と言われ、俺達は慌てて向かった。

病院に着くと俺は現場の状況がすぐに理解できた。
そこには泣き崩れた奥さんと家族の人の姿があった。
救命士の人が状況を説明してくれた。

しかし、事故を起こした時間帯を計算すると、俺のマンションを出て間もない時間だった。
しかも事故現場が行き先と違う街道沿いだった。

なぜその方面へ向かっていたのか、怖いと言うより疑問と悔しい気持ちが交錯していた。
あの時にもう少し話せていたらと思うと涙が止まらなかった。

それから数日後、四十九日も過ぎた頃、いつもの仲間と俺のマンションで、いつものように飲んでいた。
夜中の3時を過ぎた頃に、バイクの音が近づきマンションの下で止まった。
間違い無くあいつのバイクの音だった。

下を見てもバイクは無かった。
一瞬背筋が凍り付いた。

しかし、仲間と顔を見合わせると・・・みんな嬉しそうに「戻って来たんだよ、あいつ!一緒に飲んでやろうぜ」と言い、俺は玄関のドアを半開きにしておいてやった。

少し外が明るくなりだした頃、バイクの走り去る音が聞こえた。
俺達は涙の理由を笑話しでごまかし、その日は朝まで飲んだ。

以上が俺の不思議な体験でした。
俺達以外はみんな信じてくれませんが・・・。

引用元:鵺速あなたの傍の怖い話

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