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俺が霊という存在を信じるきっかけになった話です。

2009年の3月13日に、「たかやん」という俺の親友が亡くなりました。

俺は今23歳なんですが、今から5年前(2006年)に俺が大学に通っていた頃に

同じ大学で初めて出来た友人であるSを介して、

Sの地元の友人5人とも意気投合して仲良くなり、7人で海でバーベキューをしたり公園でバスケしたり、

朝までアホなことばっかり語り合ったりしていました。

その7人の中にこの話の主人公である「たかやん」もいました。

たかやんはいつも明るく、活発で、

皆でいる間はひたすら身内にしかウケないボケを連発する奴で、一番のムードメーカーでした。

いつもホンマにおもろい奴でした。

そんないつもおちゃらけていたたかやんと二人で、

一度だけですが将来について熱く語り合ったことがあり、そのことを今でも鮮明に覚えています。

時は流れて2009年、俺は大学を中退し、元々アルバイトをしていたバーで社員として店長を任されていました。

たかやんは一流の料理人になる夢を目指し、イタリア料理屋で社員として働いていました。

社会人になってからというもの、お互いに時間も合わなくなり、

たかやんと同様に他のメンバーと会うことも月に一回か二回程度でした。

付き合いといえば、職場が近かったので、

俺が急にたかやんの顔が見たくなった時はたかやんの店にメシを食いに行き、

たかやんが俺の顔を見たくなった時は俺のところに顔を出しにくるという感じでした。

ある時、メンバーのうちの2人と、たかやんの3人で一緒にルームシェアをするという話を耳にしました。

俺は毎日忙しいことと「いつでも行けるから…」という気持ちもあったことから、なかなか行けず仕舞いでした。

その連絡をもらってから2か月程経った時、

店の前に立っていた俺のケツをチャリンコに乗ったたかやんが蹴っていき、そのまま

「じゃあな!」

と言って走り去っていきました。

俺「また家行くわ!」

た「おう!」

これがたかやんと俺の最後の会話です。

それからしばらくして、いつものように仕事をしていると、店の前にたかやん以外のメンバーが来ました。

みんなもたまに飲みに来てくれていたので、今日も飲みに来たのかと思い、

「どうしたん?飲みにきたん?」

と聞くと、その中の一人が

「たかやん死んだ…」

と言いました。

そんなおもしろくもない冗談を言う奴ではないし、何よりあまりにも急すぎて頭が「?」で一杯になりました。

「え!?どういうこと!?全然おもろないし!笑」

と俺が答えると、

「今日の昼間たかやんがビルから落ちて…事故で…肺が潰れて………即死やって…」

と、そいつが話しながらこらえていた涙を流し始めると同時に、全員がすすり泣き始めました。

この時点で俺は、

「たかやんが亡くなったんだ」

「もうたかやんと話したり、遊んだりすることは叶わないんだ」

ということを悟り、まだまだ若く、

社会人として甘かったこともあり、泣いて泣いて仕事どころではなくなってしまい、

一人で裏の階段で頭が真っ白になりながらただ涙と鼻水だけをだらだらと流していました。

そこに、社員の先輩が駆けつけて来ました。

先「どうした?何かあったんか?」

俺「連れが死んだって今聞いて、もうたまらんくなってもうて…すいません…」

と答えると、普段は遅刻早退は鉄拳制裁の勢いでめちゃくちゃ厳しい先輩が、

先「何で早く言わんねん!

亡くなった現場に見舞い行ったれ!上には俺から言うとくから、お前もう帰れ。な?」

と、優しい言葉をかけてくれて

俺はその嬉しさとか

親友が死んだ悲しさとか

なんであいつが…という悔しさとか

どうにかしたら防げた…という後悔とか

色んな感情が頭の中で暴れて、ひたすら泣きながら

「ありがとうございます…ありがとうございます…」

と先輩にお礼を言ったあと、

メンバーと合流して全員でたかやんが亡くなった現場のビルの真下に行き、手を合わせました。

少し冷静さを取り戻した俺は手を合わせながら

痛かったやろうなあ、大丈夫か

っていうかなんでお前死んどんねん

早すぎるやろ

全然おもろないねん

あと、家行けんでごめんな

また行くわとか言いながら結局行けず仕舞いでごめんな

とか色々思っていました。

しばらくして、たかやん達が暮らしていた家に行って久々にみんなで

酒を飲もうということになり、タクシーで向かいました。

家に上がり、みんなで思い出話に花を咲かせながら酒を飲んでいる時、俺は

「みんなで笑って写メ撮らんか?」

と切り出し、全員で携帯のカメラで写真を撮りました。

これがその時の写真です。

前に使っていた携帯に入っているので、これしかありませんでした。

※ 諸事情により写真は掲載できませんが、私がみた写真の右側に白いもやが写っていました。

家に行くという約束を果たせなかった俺と、みんなのために、

上に向かって行く途中でちょっとだけ寄り道してくれたんでしょうか?

引用元:怖い話

 

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