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522 :1/2:2009/10/10(土) 19:21:07 ID:mhoO1B5PP

流れを切るようで申し訳ないけど

これは、祖父が十年位前に体験したという出来事だ。

祖父は山間部にある、茶畑と温泉くらいしかない

田舎町に住んでいるんだが。

その日は祖父の家から少し離れた所にある茶畑で、

来年に備えて枝を短く刈って置く作業をしていたんだ。

そして帰る頃、大分日が傾いていた。

 

急に暗くなり始めた帰り道、

くねくねとした山道を軽トラで走っていたんだが。

道路の真ん中に、何か大きな影が横たえているのが見えて、

祖父は急ブレーキを踏んだ。

そこには車に撥ねられてしまったのか、

鹿の死体が道路に転がっていた。

死体の腹の辺りには、小さな野犬みたいな影が

ごそごそと腹をほじくっている。

 

なんとなく気分が悪くなった祖父はクラクションを鳴らして、

その野犬を追い払おうとしたんだが。

クラクションに振り返った野犬の姿に祖父は肝を冷やした。

 

その野犬。いや、その生き物は、

頭が異常なほどに大きかった。

身体の大きさの三分の一くらいを占めるほどの大きな頭を、

引きずる様にしてゆっくりとこちらを向き、

車のライトで大きな顔に不似合いな小さな瞳が

爛々と光って祖父の顔を見つめた。

 

 

523 :2/2:2009/10/10(土) 19:23:23 ID:mhoO1B5PP

その頭は真っ黒い毛むくじゃらの身体とは違い、

所々毛が禿げていて、

まるで髭を伸ばし放題にした男の顔にも見える。

怖くなった祖父は、

狂ったようにクラクションを鳴らし続けた。

 

すると、その生き物は鹿の死体に噛み付き、

ずるずると道路の端に避けると、その場に伏せ、

まるでニヤニヤと笑っているかのような顔で

祖父をじっと見つめ、動かなくなった。

その顔は、鹿の内臓や血に塗れていて、とても不気味だったが、

これはチャンスと祖父はその脇を通り過ぎようとした。

 

その時、さっきまではやかましいクラクションに紛れて

聴こえなかった声が聞こえた。

「アっ……アっ……おちる……おちるよぉ……」

 

この出来事に遭った後の帰り道、

真っ暗になった山道を

ガタガタと車を揺らしながら走っていた祖父は

さっきの言葉を思い出し、ふと車を止めてしまった。

そして気付いた。

目の前の道路が、半分程崩れてなくなってしまっていたのだ。

 

それ以来、祖父はその生き物は山の神様で、

危険を知らせてくれたんだと信じているらしい。

以上、読んでくれた方ありがとうございました。

 

▲▲★▲▲山道での恐怖体験▲▲★▲▲第2巻

http://anchorage.2ch.net/test/read.cgi/occult/1253889947/ 

引用元:だいたいオカルトです。

 

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